レコードは果てしなく

好きなレコードや観たライヴのことを喋ります。'79年生まれ。

『ドードーよ永遠に!』 dodo special

どーよ?どーよ?どー?どーよ?どーなのよ?いきなりなんだかよく分かりませんが、先月発売されたdodo specialの新作アルバムが面白すぎてヘビロテであります。当ブログではこれまでroppenやクララズの作品を取り上げてきたように、東京は渋谷のワインバーCabotteや喫茶SMiLE辺りで密かに盛り上がっているようなアーティストがとても気になる今日この頃で、今回紹介するdodo specialもそのひとつ。うちだあやこさんと不知火庵さんという一風変わったポップソングを奏でる男女デュオdodoに、セロファンやBAND EXPOでもお馴染みTRICKY HUMAN SPECIALことコーノカオルさん(Bass)と喫茶SMiLE店主でroppenのメンバーでもある北山昌樹さん(Drums)が加わったスペシャルなバンド編成で、dodo special。あ、読みはドードースペシャルですよ、ドゥードゥーじゃくて、ドードー鳥のドードー。ちなみに、ドードー鳥は人間のせいであっという間に絶滅に追いやられた鳥だそうですが、彼らの1stアルバム『ドードーよ永遠に!』は、けっこう前からちょっと前までの速い流行の変化にいつの間にか取り残されてしまったような音楽を掘り起こして、今の感覚でユーモラスに描いたちょっぴり懐かしく新しいポップアルバムです。80'sUKニューウェイヴバンドのヒューマン・リーグの日本盤シングルをパロったという、人を食ったようなジャケットからもほのかに漂うチープなB級感(褒め言葉!)も実に私好みです

ドードーよ、永遠に

ドードーよ、永遠に

AIBOと言えば黒柳徹子さんを思い出すが、近未来の2030年にAIBOと暮らす女性を想像するだけで泣けてくる不思議な哀愁「アイボ2030」。2000年前後のエレクトロニカな味付けゆるふわポップ「マカロニ柑橘楼」。不知火庵作詞・うちだあやこ作曲のスウィートなオリエンタルディスコ「花魁の手紙~壱~」は、同じ詞にコーノさんが曲をつけたTRICKY HUMAN SPECIAL版(『孤独の巨人』に~其ノ弐~として収録)と聴き比べすべし。90年代オルタナティヴロック的ささくれフォーキーな「はじまりのうた」ザ・スミススピッツを思わせるインディーギターポップサウンドでJ-POPを歌っているような切ない名曲「アマリリス(思い切りメジャー感あるアレンジでも聴いてみたい!)。まさしくコーノカオルワールド全開のjazzyなロマンチックナンバーを気だるく艶やかに歌う「月待人」。インストのInterludeを挟んで、アナログレコードで例えるならここからがB面。ほんのささやかなラヴソング(のような気がする)「きみのおかげ」。何やら平安時代から聞こえてくるかのような男女ユニゾンボーカルが芳しい謎のエキゾナンバー「なにもかも」。聴いた人は洩れなく度肝を抜かれるであろう大注目曲!ここまで突き抜ければダサいを通り越してクールなエレクトロダンス歌謡「わたしをさがして」ホーリーナイ、アッハ~♪やけっぱちなテンションで盛り上がるホーリーナイト」。そして、最後は80年代AOR「誰かの足音」で、都会のアダルトでロンリーなムードに浸りながら、そっとアルバムを閉じる...そんな風に親しみやすさの中にチラッと狂気を忍ばせる素敵なポップスが12曲。とにかく、うちださんと不知火さんの異なる作風のバランスが絶妙(歌声のハーモニーも!)で、いろんなタイプの曲調があって飽きさせない。歌詞についても、基本的にうちだあやこさんがリードボーカルなので、(男性の)不知火さんが文学的に綴った女心と、うちださんが表現する抽象的に揺れる女心との対比も楽しい。ライトに聴いても、じっくり聴いても、聴き応えのあるアルバムですよ、永遠に!


dodo special「マカロニ柑気楼」MV


君のおかげ/dodo special


ドードーよ永遠に!』 dodo special(2016年)

01. アイボ2030(作詞/作曲 不知火庵)
02. マカロニ柑橘楼(作詞/作曲 不知火庵)
03. 花魁の手紙~壱~(作詞 不知火庵 作曲 うちだあやこ)
04. はじまりのうた(作詞/作曲 うちだあやこ)
05. アマリリス(作詞/作曲 不知火庵)
06. 月待人(作詞/作曲 コーノカオル)
07. Interlude(作曲 コーノカオル)
08. 君のおかげ(作詞/作曲 うちだあやこ)
09. なにもかも(作詞/作曲 うちだあやこ)
10. わたしをさがして(作詞/作曲 不知火庵)
11. ホーリーナイト(作詞/作曲 うちだあやこ)
12. 誰かの足音(作詞/作曲 不知火庵)

dodo special
うちだあやこ 不知火庵 コーノカオル 北山昌樹

スーマー/冬支度@音凪 2016.6.25

2週続けて土曜日は大阪天満宮近くの音凪へ。前週は福岡史朗&松平賢一&大久保由希という唯一無二でキレキレのロックンロールショーに舌鼓を打った、ひたすら打ち続けた。その時、一緒に観ていたのは冬支度の安田支度さんで、「来週はここでスーマーさんと一緒にやるんですよ」「そうなんだってね」。というわけで、今週はスーマーさんと冬支度の2マン。音凪は5周年記念イベント月間真っ只中、しかも、sakanaの西脇一弘さんのイラスト展期間中(店の壁面にびっしりとあの素敵すぎるイラストの数々)ということで、sakanaに関連のあるアーティスト同士の組み合わせなのでしょうか。1月の雲州堂でのいちかたいとしまささんに続き、名のある方との共演で、好調をキープしている冬支度です。一方で、私にとってのスーマーさんというと、失礼ながら、お名前もお顔もよく存じているし、どんな音楽をやっているのかは何となく想像はついているのですが、実際の音楽を聴いたことがありません。もうどうせなら白紙で向かおうと、あえてYouTubeなどもチェックしないでいました。開場時間を少し過ぎたくらいに音凪に到着して、冬支度のお二人とどうもどうもと挨拶したら、「スーマーさんは二度寝したみたいで、リハも入れ違いになっちゃって、まだお会いしてないんですよ。あはは」。前日のスーマーさんはツアーの空き日だったそうで、京橋ではしご酒しておられたようです(笑)。開演直前にスーマーさんが帰ってこられ、冬支度とはじめましての挨拶を交わしてからライヴが始まりました。

まずは冬支度(安田支度+斎藤祢々子)。この日は最初から燻し銀ギタリスト藤江隆さんが加わり冬支度トリオで。安田さん曰く、「今日はスーマーさんと共演ということで、スーマーさんと同じくヤマハのダイナミックギターの使い手である藤江さんを是非とも紹介したかったんです」。とにかく私はギタリスト藤江さんのファンなので、たっぷり藤江さんの演奏が観れるのが嬉しい。前週、お馴染みの福岡史朗&松平賢一コンビにお久しぶりの大久保由希さんのドラムが加わった時の最強っぷりに、鬼に金棒というのはこういうことを言うのだなと実感したのですが、冬支度と藤江さんの関係もまさしくそう。さりげない日常風景を素朴にちょいとユーモラスに描く冬支度の音世界を、藤江さんはその味を壊さずに鮮やかに色づけしていきます。ライヴ前、藤江さんに今日はフルで参加するんですね?と言ったら、「途中から出て行くの恥ずかしいんですよ。変に注目されるでしょう」と。そんな控え目な言動は、歌を引き立てるギタープレイにも表れているし、安田さんの的確なリズミカルなギターとの呼吸も絶対に外しません。そして、藤江さんが選曲してお蔵入り寸前から救出されたというレア曲「雨傘と日傘」が間違いなくこの日のハイライト。斎藤さんはアコーディオンで、スローな音数の少ない曲なのですが、アウトロを長尺にして、藤江さんがロックなスライドソロをキめまくる。胸がじわりと熱くなって、グッとくる、というか、かなりウルッときてました。斎藤さんがラリーパパ&カーネギーママ「終りの季節に」みたいなイメージと仰っていて、確かにあの匂いがしてましたね。コンパクトなポップソングが多い冬支度ですが、こういうスケールの大きな冬支度もアリだなと思いました。あと、「桜の見ごろは終わったみたい」間奏での藤江さんの滋味深い歌うギターソロも石田長生さんを彷彿とさせるムードで素晴らしかったです。スーマーさんが藤江さんの演奏を「めちゃくちゃ上手い」と褒めておられましたが、もちろん、その「上手い」は単に技術的な意味だけではないのです(とりあえず生で聴いたら分かります!)。って、なんだか藤江さんのことばかり話していますが、たぶんこれくらい言っても冬支度の二人は許してくれるはずです。もしかすると藤江さんには、いやいや俺が目立つのは良くないんですよ、なんて思われてそうですが。心配しないでください、音楽に溶け込んで全く目立ってない時間もしっかりありましたので。いやはや、派手ではないけど観応え聴き応えのあるトリオです。またこの三人の歌と演奏を観たいですし、録音もしてほしいなぁなんて期待してみます。

たっぷり休憩を取って(本当に始まるのか?っていうくらい)からスーマーさんのステージ。前述のとおり、スーマーさんの音楽を全く聴いていない状態で、ちょっとしたワクワク気分。藤江さんと同じくヤマハのダイナミックギター(六千円で買ったそう)とバンジョーを使っての弾き語り。ストローハットに丸メガネに髭面、まさしくその風貌通りの音楽というか。60年代のアメリカのフォークソングに根差した音楽性なのでしょう、日本的なドロッとした湿り気は感じず、乾いているのが心地良いです。力強いアルペジオに弾かれて男らしく優しい歌声が伸びていき、陽気なバンジョーの音色に反して、寂し気な歌が唄われます。浅川マキさんのお墓参りのすべらないお話(とっておきのMCネタだそうなので、詳しくは言うまい)をしてから、「少年」の沁みるカヴァーなんかもありつつ。リラックスしたスーマーさんの歌と演奏とお喋りをアテにお酒をチビチビやっていると酔いも軽やかに進み、あっという間に終盤へ。ダブルアンコールの最後はファンのリクエストに応えて「死んだ男の残したものは」、ズシリと重く心に響いたのでした。今回はスーマーさんの二度寝のおかげで(笑)冬支度とのセッションが無かったのが少し残念でしたが、それはまた次のお楽しみに。藤江さんとのツイン・ダイナミックギターなんてのも観てみたいですね。

目をつむれば、今は1970年代かと錯覚してしまうようなぬくもりのある時間を過ごせて楽しかったです。そして、音凪のお酒とおつまみは旨いのです。

『60』 一色進

え、今なの?必ず書くと言って、放ったらかしにしていた。寝かせてたまに聴くと、めっちゃええやん!と思って、また寝かせていた。機は熟した、ということにしておこう。というわけで、愛すべき永遠のB級ロックバンドマン一色進さんが還暦を迎えて発表した2ndソロアルバム『60』。蓋を開けたら、打ち込みバリバリ、まさかまさかのEDMだった。EDの音楽じゃないよ、エレクトロニック・ダンス・ミュージック。踊れるかどうかはあなた次第。一色「俺もたまには駄作を作るんだよということを証明したかった」!?と言いながらも、史上屈指にポップでキャッチーな曲が揃っている(ような気がする)。バックトラック作りはタイツ時代からの盟友・松田信男さんが担当。悪ふざけするつもりがつい本気になってしまい妙に完成度が高いトラックが逆に笑える。それでもなんかイナたいテクノポップは、中田ヤスタカには出せないだろう(出す必要はない)。懐かしいのか新しいのかはどうでもよくなる、ただひたすら可愛いアルバム。

60

60

いきなり航空会社のCMに流れそうな洗練されたトラックに乗せて、腹上死したいと歌う「ガチャ・ガチャ」。タイツ「RAN-SAW SAMBA」の続編か?みんなで歌って楽しい問題作「閉経ベイビー」。一色さんのはっきり聞き取れないピロートークがセクシーな「生まれて30分の恋」。”待ちわびてぇ~♪”の調子っぱずれな”てぇ~”にやたら胸を打たれる「待ちわびて」。あの娘めがけて街を全速力で駆けていくトレンディドラマの1シーンが思い浮かぶ「Chance」(鈴木茂「レイニー・ステイション」に繋げたい!と思ったが、実際は痴漢を我慢する歌)。一色さんのラップ、意外とイケるやん「ラムチョップ」。出来れば12インチシングルで聴きたいディスコなキラーチューン「恋のTRANSIT」。愛した女は必ず何かに狂ってる、ボブ・ディランを意識したイカれたトーキングブルース「HOLIC-HOLIC」。前作『歪』の匂いがする美しくダウナーな「Small Mercy」。お茶目でキュートでコミカルなインスト「エアポート急行」。情けなくヘヴィーにファンクする「ネコババと40代の課長さん」。メロディー自体は素朴で愛らしいがやたらアレンジが壮大な「背徳の女神」。そんなこんなのお節料理のようなめでたい?全12曲47分。最&高、かもしれない。


『60』 一色進(2015年)

01. ガチャ・ガチャ/02. 閉経ベイビー/03. 生まれて30分の恋/04. 待ちわびて
05. Chance/06. ラムチョップ/07. 恋のTRANSIT/08. HOLIC-HOLIC
09. Small Mercy/10. エアポート急行/11. ネコババと40代の課長さん/12. 背徳の女神

Produced by 松田信男

『Saramountain』 河野沙羅

今や京都を超えてワールドワイドな活躍を見せているパイレーツ・カヌー。3年くらい前に拾得で東京ローカル・ホンクと一緒にやったライヴを観たが、老若男女お客さんいっぱいであまりの人気の高さにビビった。あ、そうだ。思い返せば、パイレーツ・カヌーのそれぞれのメンバーはそれよりも前に西村哲也さんとの共演ライヴで観ていた。男性陣はテキサス・シュー★シャイン・ボーイズ(通称・靴ピカ)というゴキゲンなバンドで演奏していた(2008年1月12日@ネガポジ)。河野沙羅さん&エリザベス・エタさんは西村哲也生誕50周年記念ライヴ(2009年12月27日@拾得)のゲストで初めて観て、あまりに本格的な歌声の美しさと歌の上手さはちょっと衝撃的だった。その後、二人のデュオはコモンカフェ(2011年8月20日)でも観たのだけど、グランドファーザーズ「恋の元素記号」を西村さんが歌い、彼女らがコーラスするという今考えればすさまじくレアな光景があった。もっと思い返すと、河野沙羅さんは二人乗りというマンドリンデュオをやっており、西村さんと一緒にツアーを回ったりしていたようだ。いつだったか西村さんの拾得でのライヴ後、マスターのテリーさんが「二人乗りの次のアルバムは鈴木茂プロデュースらしいよ!」と西村さんやバンドメンバーと喋っているのを聞いたことがあった(マジかよ、と心の中でつぶやいた)。結局、私は二人乗りを観れず仕舞いだったが、ずっと気にはなっていた。そんなこんなで沙羅さんと西村さんとの付き合いは長く、そして、密かにこんな素敵なレコードを作っていたという。

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Produced, Recorded & Mixed by 西村哲也
All songs written by 河野沙羅

全7曲日本語詞の懐かしく心地良い名曲揃い。どれも後にパイレーツ・カヌーでは英語詞で再演されているが、フォーキーで土の匂いのするパイレーツ・カヌー版とは随分と趣が違って、ここでは(パイレーツ・カヌーの面々が参加していても)非常にカラフルでポップな仕上がりになっている。西村哲也 played Guitar & Bass, and Other Cool Stuffで、もちろんエレクトリックギターやスライドギターはアーシーに泣く西村哲也節全開、これはもう完全に西村哲也サウンドと言ってもよいだろう。出来れば、同時期に録音されていた西村ソロ『ORANGE』(2010年)と共に聴いてもらうと面白いのではと思う。

ORANGE

ORANGE

そうそう、『ORANGE』収録の「蛙」では沙羅さんがコーラスで参加しているのだが、西村さんが「〇〇の蛙」というタイトルにしたいのだけど何がいいかな?と沙羅さんに訊いたところ、西村さんだったら「蛙」でいいじゃないですかと答えたという微笑ましいエピソード。そして、この『Saramountain』では、沙羅さんは(見た目とは異なる?たくましく母性ある)ボーカルとマンドリンを弾いていて、あとは西村さんにお任せという感じだったらしく、いつの間にかロック調に変身していたり、ゴージャスなストリングスが入ってハリウッドみたいになっていたりして驚きの連続だったようだ。そんな自由奔放なアイデア溢れるアレンジと人肌の温もりある宅録サウンドが調和したチャーミングなポップス集。ひしゃげたエレキギターの響きが狂おしいスワンプロック「クレイジー・クリシー」、細野晴臣風味のんびりエキゾな「船長さん」、ザ・バンドで健気な不倫ソング「山男とシティーガール」あたりがお気に入り。さりげなく、名盤。


『Saramountain』 河野沙羅(2010年)
01. サイン/02. クレイジー・クリシー/03. ほたる/04. 忘れておくれ
05. カーテン/06. 船長さん/07. 山男とシティーガー

Musicians:
河野沙羅、西村哲也、進藤了彦、岩城一彦、夏秋文尚、田辺晋一
塩浜玲子、曽根川昭雄、ハント鈴加

<PLAY LIST> '16.5.5 『GO!GO!カブトムシ』@池袋鈴ん小屋

BGMを選曲しました。以下、プレイリストです。※全曲アナログ音源

2016.5.5 『GO!GO!カブトムシ』@池袋鈴ん小屋
出演:Y・O・M・A / 5mm

■ 開場

Java ジャワの夜は更けて / Al Hirt And His Orchestra
Woman Don't You Cry For Me / George Harrison
Come And Get Your Love / Redbone
青空 / 佐藤博
Harmony Grits / Peter Gallway
Da Doo Ron Ron (When He Walked Me Home) ダ・ドゥー・ロン・ロン / Ian Matthews
Ooh I Do 恋のウー・アイ・ドゥ / Lynsey De Paul
Roll Away The Stone 土曜日の誘惑 / Mott The Hoople
Goin' Down The Road (A Scottish Reggae Song) / Roy Wood
Hey Jude / John Hartford
Fresh Wound / Bonzo Dog Band

■【5mm】LIVE

びんぼう / 大瀧詠一
La Bamba ラ・バンバ / ジャッキー吉川とブルー・コメッツ
バン!バン! / ザ・スパイダース
遺憾に存じます / 植木等
私がケメ子よ / 松平ケメ子
オブラディ・オブラダ Ob-La-Di, Ob-La-Da / ザ・カーナビーツ
HELLO! BABY MY LOVE / ザ・ランチャーズ
Dance To The Music / フォーリーブス

■【Y・O・M・A】LIVE

55° North 3° West 北緯55度、西経3度 / Pilot
Xanadu ザナドゥ / Olivia Newton-John/Electric Light Orchestra
SHOW BOAT / 中原理恵
(Medley) Just A Gigolo~I Ain't Got Nobody ジャスト・ア・ジゴロ(~ノーバディ)/ David Lee Roth
The Things We Do For Love 愛ゆえに / 10cc
Can We Still Be Friends? / Robert Palmer
No More Lonely Nights (ballad) ひとりぽっちのロンリー・ナイト(バラード篇)/ Paul McCartney
Just The Way You Are (karaoke version) / NRBQ

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★1曲目「ジャワの夜は更けて」ですが、村松邦男さんフィーチャーの多羅尾伴内楽團のレコードにこの曲のカヴァーが入ってますね。あと、NRBQジョン・セバスチャンとの共演ライヴ盤がこの曲で始まり、それが最高なので影響受けてます。「青空」は村松さんギター弾いてますよ。

★開場からはシュガーベイブ~ナイアガラ風というか。「Harmony Grits」なんて、もろシュガーベイブでしょう。間奏のギターソロを村松さんが弾いてると言われても信じちゃいそう。5mmの時間に合わせて、フィル・スペクターぽいのから徐々に変な曲にしていくと。

★GO!GO!カブトムシというイベント名から勝手にビートルズかと思い込み。なので、何となく出囃子がビートルズの曲になればいいかなと思って、出てきそうな時間にカヴァーを入れました。「Hey Jude」と「オブラディ・オブラダ」、押したりで外れたかもですが。

★5mmのステージが終わったらいきなり台詞が聞こえてくると面白いかもと思いついてしまったので、「びんぼう」は頭に「希望退職者募る...」っていう台詞が付いてる『僕は天使ぢゃないよ』サントラのを使いました。

★転換の15分という短時間にいっぱい詰め込んでやれと60年代和モノ、GSなムードで。R・O・M・Aもヨナフィさんが作る曲にしても、ノベルティソングが多いように思うので、ふざけてもいいだろうと。「遺憾に存じます」~「私がケメ子よ」の萩原哲晶つなぎがハイライトか!?

★パイロット「北緯55度、西経3度」は映画で言うところのエンドロール的なイメージです。ザナドゥ~SHOW BOAT(ELO歌謡)は安田謙一さんの影響、ジャスト・ア・ジゴロは三匹夜会の影響(笑)。ここからは楽しいパーティーが終わっていく切ない展開に...

★5mm堀尾さんに敬意を表して、10ccは入れなあかんやろと思ったのですが、ひねりすぎて1周回って王道の「愛ゆえに」にしてしまいました...好きだからしょうがない。トッド曲も必須ですが、これはちょいひねりでロバート・パーマー版で。コクのある仕上がりでコレも好き。

★「ひとりぽっちのロンリー・ナイト」は、この前に堀尾さんとヨナフィさんが一緒にセッションしたそうで、ポールのを聴き返したらえらく感動してしまったので。ラストのNRBQがカラオケで歌う「素顔のままで」は、閉店時に流れる蛍の光的なイメージ。なんかほっこり泣けるのよ。

「すってんころりん」ぶどう÷グレープ

昨今のアイドルブームというか、アイドル礼賛なムードに、確かにアイドルさんは必死でスゴイとも思うけれども、なんかこう馴染みきれない私です。たぶん基本的にロック畑の人間なのでしょう。そんなモヤモヤ気味の私はぶどう÷グレープを聴くわけです。


ぶどう÷グレープ/すってんころりん

3年前の夏頃の私は、80'sニューウェイヴに急に興味が沸きだして、いろいろ聴いていく中で、じゃあ、現代のニューウェイヴバンドってどんなのだろう?と探しているうちに、ぶち当たりました。ぶどう÷グレープ「すってんころりん」のPV('12年作)。どうにもチープな映像で、女装男装入り乱れカワイイんだか気持ち悪いんだか、仏様の前でふざけて罰が当たりそうだし、曲も妙にファンキーで、わけのわからない強力なフックがあって、クセになるような匂いがプンプン。うわぁーこりゃ面白いやと。しかし、このぶどう÷グレープという名前はどっかで聞いたことあるなと思って、調べてみたら、シネマが名古屋でぶどう÷グレープと対バンするというニュースでした。この揃いの衣装にネクタイ、確かに見覚えが。それでYouTubeで彼らの映像を片っ端から観ていくうちにどんどんハマっていって、CDも速攻で集めました。新譜が出たとかそういうタイミングじゃない意味不明なときにTwitterで急にぶどうぶどう言い出したので、メンバーもなんじゃこいつ?と思っていたことでしょう。で、これはライヴも観たいぞ!と思い始め、名古屋の円頓寺商店街での秋のパリ祭に出演するというので、無料だし、えいやで神戸から駆けつけました。バッチリにキメたくみんこ÷グレープさんとすれ違って、わぁー本物だキレイとかいうベタな感動。短い時間ながらも想像以上に切れ味鋭い演奏素晴らしく、サエキけんぞうさん(寿司頭)のバックをやったりもしてめちゃ愉快でした。そして、その勢いで翌月の名古屋得三での柴山一幸さんとの2マンも観たのですが、ギッシリ満員で大いに盛り上がり、名古屋での人気の高さに驚きました。バンド演奏もなんというか外タレみたいな出音の良さ、華やかで躍動感があって魅せるステージングも完璧でした(ライヴ後の名古屋の夜も大変楽しゅうございました)。あと、私がふとつぶやいた大なり><小なりとぶどう÷グレープの対バンが観たい!というツイートを見たマネージャーさんに、そのアイデアをパクられるという嬉しい事件もありましたね(笑)。もちろん、東京まで観に行きましたよ(↓その日のライヴの模様。超有名曲でつなぐニクイ演出)。


ぶどう÷グレープ「RYDEEN〜迷いの交差点」2014.5.17 渋谷Last Waltz

We are BUDO÷GRAPE from Nagoya, Japan!ぶどう÷グレープは名古屋のバンド。2001年に前身バンドのバケラッタからぶどう÷グレープに移行していったそう。私が知った時のメンバーは、現在もそうですが、くみんこ÷グレープ(Vo)、ながい÷グレープ(Gt)、まつい÷グレープ(Ba)、たいち÷グレープ(Ds)、74÷グレープ(Key)の男女混合5人組。名古屋や東京だけでなく、なんとアメリカやイギリスでもツアーを行い、地元のバンドを容赦なく食っちゃって、外国人を踊らせていたみたいです(今年もイギリスツアーに行くとのこと)。確かに、くみんこさんのアイドルっぽさやキッチュな音楽性は日本のアニメやJ-POPオタク達にも受けそうですね。私が彼らの演奏を聴いたときにパッと思い浮かんだのは、XTCというよりはエルヴィス・コステロ&ジ・アトラクションズです。ながいさんのカッティングギターは天下一品、まつい&たいちリズム隊のグルーヴは黒くパンキッシュ、74さんのすっとぼけキュートなキーボード。センスだけでなく生演奏でしっかり聴かせる腕の確かさ、最高です。そんなキレキレのロックンロールな演奏にくみんこさんの可愛らしくカッコイイ歌が素敵に混ざり合います。そして、ながいさんの書く楽曲が絶妙にひねくれてポップで、それこそ「すってんころりん」のように印象的なフレーズやリズムを繰り返して中毒にさせていく魔術師ぶり。おまけに歌詞もながいさんがほとんど書いていて、なんでそんな細かい女ゴコロを描けるのか?謎です。これまでアルバムは8作くらい出ていてどれも充実作、最新は配信限定シングルシリーズ(ジャック達のシャックフルーツシングルスのような)で、ちょうど第5弾で終わったところですが、配信ならではの録って出しのスリル満点な勢いに満ちた曲ばかりです。すぐにダウンロードすぐに聴けるので、ひとつお試しを(↓配信シリーズで一番のお気に入りはこの「マインド・ミュージアム」、ハルメンズばりの疾走感!シンセベース!)。


2016-3-20 ぶどう÷グレープ LIVE @Tokuzo ③

ちなみに、ギターの永井秀彦さんは80年代~にザ・ショッカーズというバンドをやられていて、90年に名古屋E.L.Lグランドファーザーズと対バンしているようです。皆さま覚えておられるのでしょうか?グランドファーザーズ『BBB』デラックス盤に入っている「Chicken Skin」のライヴバージョンはその日のテイクです。

ザ・独り言④

5/5こどもの日の池袋鈴ん小屋でのイベント『GO!GO!カブトムシ』の選曲終わりまして。時間が押すこともありえるので、多めに選んで1時間30分のボリューム。選ぶ時間がふんだんにあって、何が正解なのか分からなくなり、日に日に混沌としていきましたが、出演者が5mmとY・O・M・Aであれば、多少ハチャメチャでも許してもらえるでしょう。大雑把に言えば、シュガーベイブ、大瀧さん、ビートルズを意識したような感じかも。とか言うと、どこがやねん!と突っ込まれそうなので、ふわーっと聴いておいてください。そんなマニアックでなないし、ベタな曲も多数なので、笑っていただければと。ちなみに、使っているのは全曲我が家のアナログ盤起こしの不思議な音です。以前、音楽感謝というイベントを主催している中上さんが、そのイベントで流すBGMを彼自身の選曲(シティポップ~AOR的な)でアナログ音源を使っていたので、ああ~いいなぁ、もしBGMを作ることがあれば絶対アナログでやろう、と決めていました。つまり、CDや配信でしか出てない曲はかかりませんので悪しからずです。まぁBGMはあくまでも添え物ですから。メインの5mmとY・O・M・Aのライヴ演奏は間違いなく素晴らしい!愉快痛快!なので、皆さま是非お越しを~。


GO!GO!カブトムシ@池袋鈴ん小屋告知動画(5mm)

今日4/27は英国ポップロックの至宝スクイーズのライヴがビルボード大阪でありますが(東京公演の評判がまたすこぶる良いんだ)、指をくわえて見守るだけ...。それもそうだけども、明日4/28は東京の吉祥寺マンダラ2で大なり><小なりとグランドファーザーズの2マン!個人的にこれを観逃がすのは超痛い...空から大金が降ってこないかな。そんな愚かな私の代わりに行ける人は漏れなく行ってください!頼みます。大なり><小なりは結成当初からグランドファーザーズと共演するのが夢だったそうです。2年前に下北沢シェルターで行われたグランドファーザーズの1stアルバム再現ライヴの時にも、大なり><小なりのメンバー全員揃って観に来ていました。そんな彼らの想いが爆発するいつも以上に気合いの入ったパフォーマンスが観れるはずです。グランドファーザーズはレアな曲を用意している模様、なんだろう?「墓掘りの美声」か?たぶん違うでしょう。大なり><小なりの熱でグランドファーザーズのお尻に火がついてくれることを願います。


異常な夜、貴重な月/GRANDFATHERS

デヴィッド・ボウイが亡くなって、プリンスが亡くなって、そんなに馴染みのない私でさえも衝撃を受けています。なんか勝手に不死身だと思っていたので...特に、プリンスは57歳という若さでしょう。私の敬愛するミュージシャンはその世代の方が多いので、いろんなことを考えてしまいましたが。何よりも身体には気をつけていただかないと。しかし、一時代がどんどんスピードを上げて終わっていくのがなかなかに辛いこの頃。とか思いながらも一方で、若手ミュージシャンでやたら幅広い世代に愛されているスカート澤部渡さんが、スピッツのサポートでミュージックステーションに出演するというホッコリしたニュース(謎のタンバリン男現る)もありましたね。私が澤部さんに興味を持ったのは、斉藤哲夫「グッド・タイム・ミュージック」をフェイバリットソングに上げているのとチャクラ「まだ」をカヴァーしていることを知ってからです。彼は10くらい年下ですが、ちょっと尊敬してます。

ふむ、「まがい物」と評されて怒るファンもいると。まぁ分からないでもないけれど、そんな目くじら立てなさんな。賛否あって健全。もし我が最愛のジャック達を「まがい物」だと言う人がいたとしても、よくわかってらっしゃると納得するでしょう(笑)。まがい物の本物。そんなことより切ないのは、批判される場にいないこと...。