レコードは果てしなく

好きなレコードや観たライヴのことを喋ります。'79年生まれ。

【私の好きな歌029】「うわさの男」ニルソン

暑中お見舞い申し上げます、メリークリスマス、良いお年を、あけましておめでとうございます...随分ご無沙汰してしまいました、お元気でしょうか?前回の記事から半年の間、昨年の後半にもDJやライヴのBGM選曲させてもらったり、観客としても素敵なライヴやかっこいいライヴ(ああ、ジャック達よ、鈴木さえ子さん!)目白押しで全部が全部楽しかったですねぇ。中でも、三匹夜会の熊谷太輔さんより依頼がありまして、12/1と12/8の二週にわたって渋谷七面鳥で行われた西村哲也さんの還暦お祝いライヴでBGMを選曲させてもらえたことは至極光栄ありがたき幸せ、西村ファン冥利に尽きるというのはまさにこのこと、そりゃあもう気合いを入れて選曲しました(開演ギリギリまで呑んでる出演者たちは聴いてないだろうけど・笑)。そして、昨年最後に観たライヴも音凪での西村さん、新しい友だち鶴来正基さん(ピアノ)の創意にあふれた美しいアレンジでまた新たな西村さんの魅力を発見できたかと思ったら、ソロライヴ活動お休み宣言があり...ちょっとしんみりしてしまった年の瀬。ということもありましたが、2019年はDJという思い切ったチャレンジ(矢野一希さんのおかげです・涙)でちょろっと人前に出るようになったこともあり、内向的な自分も外に気持ちが開いてきたのか、新たな出会いがたくさんあって本当に充実した一年になりました。音楽やレコード愛を通じて人と出会える、こんな嬉しいことはないですねぇ...とますます実感。出会ってくださった皆様、遠くから優しく見守ってくださった皆様、ありがとうございました!2020年も引き続きヨロシクお願いいたします。

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映画『真夜中のカーボーイ』オリジナル・サウンドトラック版

年が明けて早速1/5に塚本エレバティでDJさせてもらったのですが、その1曲目にかけたのがニルソンの「うわさの男(Everybody's Talkin')」でした。これまで聴いた中で一番好きな歌は?という超難問を訊かれたら、気分によってコロコロ変わりますが、かなりの確率で答えるだろう曲がこれです。ずっと前にテレビで観たドキュメンタリー番組で、故郷が近くのトータス松本が「レコード屋も映画館も何もないこんな田舎からとにかく早く都会に出たかった」と言っていたのに大いに共感した私ですが、それでもやはり根は田舎者、この曲のイントロのアコースティックギターのカントリー風アルペジオの旋律に美しく絡むストリングスの古めかしくも新鮮な響きが聞こえてくるとどうにも故郷の風景を思い出し、郷愁のすきま風がすうっと吹き込んできます。ニルソンのユーモラスで伸びやかな歌唱も何とも言えないドリーミーな心地良さで、私にとっては最も心洗われる曲です。そして、このニルソンの「うわさの男」が主題歌で使われていた映画『真夜中のカーボーイ』(1969年)も大好きで、ジョーとラッツォのはみ出し者どうしの奇妙な友情に憧れてます。ちょうど5年前の今頃、心斎橋club WONDERでの青木孝明さんのソロライヴを観に行った時に、帰りがたまたま青木さんと一緒になったのですが、その青木さんの衣装がプレスリーみたいな袖に紐がいっぱいついたカウボーイジャケットを着ておられたので、夜の心斎橋の街を歩く長身のカウボーイ青木さんと小男の私との並びがまるでジョーとラッツォのようだと心の中でつぶやいた...という密かな思い出もあったり(つまり、私はダスティ・ホフマンか!?)。

「うわさの男」という日本語タイトルがまたイカしてるから私のDJネームにしようかな...と一瞬思ったけど、変に期待されそうなので止めます(笑)。

「Everybody's Talkin'(うわさの男)」Nilsson (1968年)
written by Fred Neil

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DJうわさの男!?