『ドードーよ永遠に!』 dodo special
どーよ?どーよ?どー?どーよ?どーなのよ?いきなりなんだかよく分かりませんが、先月発売されたdodo specialの新作アルバムが面白すぎてヘビロテであります。当ブログではこれまでroppenやクララズの作品を取り上げてきたように、東京は渋谷のワインバーCabotteや喫茶SMiLE辺りで密かに盛り上がっているようなアーティストがとても気になる今日この頃で、今回紹介するdodo specialもそのひとつ。うちだあやこさんと不知火庵さんという一風変わったポップソングを奏でる男女デュオdodoに、セロファンやBAND EXPOでもお馴染みTRICKY HUMAN SPECIALことコーノカオルさん(Bass)と喫茶SMiLE店主でroppenのメンバーでもある北山昌樹さん(Drums)が加わったスペシャルなバンド編成で、dodo special。あ、読みはドードー・スペシャルですよ、ドゥードゥーじゃくて、ドードー鳥のドードー。ちなみに、ドードー鳥は人間のせいであっという間に絶滅に追いやられた鳥だそうですが、彼らの1stアルバム『ドードーよ永遠に!』は、けっこう前からちょっと前までの速い流行の変化にいつの間にか取り残されてしまったような音楽を掘り起こして、今の感覚でユーモラスに描いたちょっぴり懐かしく新しいポップアルバムです。80'sUKニューウェイヴバンドのヒューマン・リーグの日本盤シングルをパロったという、人を食ったようなジャケットからもほのかに漂うチープなB級感(褒め言葉!)も実に私好みです
- アーティスト: DODO SPECIAL
- 出版社/メーカー: GALLWAY
- 発売日: 2016/06/08
- メディア: CD
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AIBOと言えば黒柳徹子さんを思い出すが、近未来の2030年にAIBOと暮らす女性を想像するだけで泣けてくる不思議な哀愁「アイボ2030」。2000年前後のエレクトロニカな味付けゆるふわポップ「マカロニ柑橘楼」。不知火庵作詞・うちだあやこ作曲のスウィートなオリエンタルディスコ「花魁の手紙~壱~」は、同じ詞にコーノさんが曲をつけたTRICKY HUMAN SPECIAL版(『孤独の巨人』に~其ノ弐~として収録)と聴き比べすべし。90年代オルタナティヴロック的ささくれフォーキーな「はじまりのうた」。ザ・スミスやスピッツを思わせるインディーギターポップサウンドでJ-POPを歌っているような切ない名曲「アマリリス」(思い切りメジャー感あるアレンジでも聴いてみたい!)。まさしくコーノカオルワールド全開のjazzyなロマンチックナンバーを気だるく艶やかに歌う「月待人」。インストのInterludeを挟んで、アナログレコードで例えるならここからがB面。ほんのささやかなラヴソング(のような気がする)「きみのおかげ」。何やら平安時代から聞こえてくるかのような男女ユニゾンボーカルが芳しい謎のエキゾナンバー「なにもかも」。聴いた人は洩れなく度肝を抜かれるであろう大注目曲!ここまで突き抜ければダサいを通り越してクールなエレクトロダンス歌謡「わたしをさがして」。ホーリーナイ、アッハ~♪やけっぱちなテンションで盛り上がる「ホーリーナイト」。そして、最後は80年代AOR風「誰かの足音」で、都会のアダルトでロンリーなムードに浸りながら、そっとアルバムを閉じる...そんな風に親しみやすさの中にチラッと狂気を忍ばせる素敵なポップスが12曲。とにかく、うちださんと不知火さんの異なる作風のバランスが絶妙(歌声のハーモニーも!)で、いろんなタイプの曲調があって飽きさせない。歌詞についても、基本的にうちだあやこさんがリードボーカルなので、(男性の)不知火さんが文学的に綴った女心と、うちださんが表現する抽象的に揺れる女心との対比も楽しい。ライトに聴いても、じっくり聴いても、聴き応えのあるアルバムですよ、永遠に!
『ドードーよ永遠に!』 dodo special(2016年)
01. アイボ2030(作詞/作曲 不知火庵)
02. マカロニ柑橘楼(作詞/作曲 不知火庵)
03. 花魁の手紙~壱~(作詞 不知火庵 作曲 うちだあやこ)
04. はじまりのうた(作詞/作曲 うちだあやこ)
05. アマリリス(作詞/作曲 不知火庵)
06. 月待人(作詞/作曲 コーノカオル)
07. Interlude(作曲 コーノカオル)
08. 君のおかげ(作詞/作曲 うちだあやこ)
09. なにもかも(作詞/作曲 うちだあやこ)
10. わたしをさがして(作詞/作曲 不知火庵)
11. ホーリーナイト(作詞/作曲 うちだあやこ)
12. 誰かの足音(作詞/作曲 不知火庵)
dodo special
うちだあやこ 不知火庵 コーノカオル 北山昌樹