レコードは果てしなく

好きなレコードや観たライヴのことを喋ります。'79年生まれ。

「メトロノーム/アスリート」 CHAINS

twitterで流行している?「ほんとうに衝撃を受け、かつ今でも聴き続けている生涯のお気に入りアルバムを10枚」選ぶ企画のバトンが冬支度の安田支度さんから回ってきて、20代くらいまでに驚き愛聴していた盤を選びながら振り返りが楽しかった。

では、ごく最近に受けた大きな衝撃と言えば何?と訊かれたら、随分と久しぶりに体感したCHAINSのライヴだろう。6月9日ロックの日に京都アバンギルトで開催された、チョウ・ヒョンレとPiCas with 中井大介西村哲也と彼のラビッツ、CHAINSという関西のバンド3組が集結したイベント。三者三様のロックであるも、素晴らしい楽曲と素晴らしい歌唱と素晴らしい演奏しかない凄味を堪能、互いが刺激し合って最後のセッションまで熱のこもった名演が数多く観れた今年上半期屈指の充実したイベントだった。皆キャリアをしっかり重ねもう若くは無いけども(失礼)、今が一番カッコイイと思えるなんて最高じゃないですか!中でも、CHAINSの闘志をメラメラと燃やす気迫と迫力に満ちたROCKとしか言いようのない演奏が半端なかった。彼らのライヴを観るのは、2003年5月30日の心斎橋KNAVEで観たイベント(w/倉橋ヨエコ残像カフェRUNT STAR)以来の15年ぶり(!)2回目。当時から今でもレコードは愛聴しているのにご無沙汰しすぎて申し訳ないと思いつつも、15年後の彼らの地に足が着いた幹の太いたくましい演奏を目の前にして、嗚呼、地道にライヴを積み重ね年輪を増やしてきたのだなぁと感じ入り、猛烈に感動した。カーティス・メイフィールドニール・ヤングの歌声を併せ持ち、ローウェル・ジョージばりの凄まじいスライドギターを弾く新村敦史さんの圧倒的な存在感はもちろんであるが、その後方で、ギターソロは新村さんに任せ、ひたすらリズムギターを弾き続ける横山道明さんの頑固職人ぶりに痺れまくった。ラリー藤本&伊藤拓史リズム隊の歌心が躍動するグルーヴ、丸山桂さんのさりげなく小技の効いた鍵盤の味付けも絶妙で、息を合わせ一致団結して楽曲を盛り立てCHAINSの音楽世界を築き上げていく様に、つくづくBANDだなぁと感じ入り、猛烈に感動(2回目)。彼らの関係は、もはや腐れ縁ならぬ鎖縁ですな(ウマい!?)。

chains-kyoto.blogspot.com

そんなCHAINSも今年で結成25周年だそうで、それを記念して15年ぶり(!!)にニューシングルが配信された(私はOTOTOYハイレゾ購入)。「メトロノーム」と「アスリート」という2曲のカップリングで、件のライヴでも演奏されていたが、どちらもミドルテンポでじわじわと身体が熱くなるイカしたロックナンバーだ。メトロノームのイントロでドラムがスタンッと鳴ってちょっとトレモロがかったギターが入りキーボードがヒャ~と鳴り始めた瞬間に、嗚呼、これぞCHAINSだ...とニヤリ。ビバ☆シェリーのSATOさんがコーラスで友情出演しているのも嬉しい。良い時と悪い時をメトロノームのように行ったり来たり、バンドを続けて行く大変さと喜びを歌っているのだろうと私的勝手な拡大解釈。「アスリート」はオリンピックを目指すアスリートを歌った曲だが、まさしくCHAINSは寡黙でストイックなアスリートのよう、腰の入った軸がぶれないロック。しかも、京都のリトル・フィート!と思わず叫びたくなるファンキーな粘り腰だ。この最新の2曲も不変のCHAINS節で、奥に潜むブルーズ魂とどこかアングラな匂いを醸し出すサウンドは、やはり他の誰よりも京都を感じる。そうだ、京都にはCHAINSがいる。もうずっとすごいし、これからもすごいぞ先輩。


アスリート CHAINS@paradice 4th.Jun.2017

↑ドラムス伊藤さん中心の「アスリート」ライヴ映像ですが、伊藤さんのニュアンス豊かな粋なドラミング大好きです!

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メトロノーム/アスリート」CHAINS(2018年)
CHAINS are 新村敦史、横山道明、ラリー藤本、丸山桂、伊藤拓史