レコードは果てしなく

好きなレコードや観たライヴのことを喋ります。'79年生まれ。

「東京一悲しい男」ジャック達

36歳になった今の心境を歌で表すと斉藤哲夫「いつかきっと」なのだけど、なんだか暗い話になりそうなので、能天気な歌にしよう。ジャック達「東京一悲しい男」、これが今一番好きな歌だと言うのは我ながらどうかと思うが、とにかく狂ったように好きな歌である。2008年の配信シングルで最初聴いた時はなんだかおもろい歌やなぁというくらいのものであったが、何度も聴くうちに変なスイッチが入ってしまった...。”東京一は日本一”と言っていたのはムーンライダーズだったけな。”東京一”の次に”悲しい男”と続くのは、東京のB面(!?)を歌う一色進さんならではである。

東京一悲しい男 feat. 光永''GUN''巌 (from METROFARCE)

東京一悲しい男 feat. 光永''GUN''巌 (from METROFARCE)

  • ジャック達
  • ロック
  • ¥200

この歌の世界観は、山手線を舞台とした恋物語という意味で小林旭「恋の山手線」が思い浮かび、終始漂うトホホな情けなさはハナ肇クレイジー・キャッツ的である。展開は落語のようで、最後にオチがあるロックなんて聴いたことがない(しかも、なんじゃそりゃ~というオチ)。音楽で言えば、イントロのドゥドゥーンドゥドゥーンはKool & The Gang「Funky Stuff」で、全体的なノリはBlood, Sweat & Tears「Spinning Wheel」(安田謙一さん曰く、スピニング・ホイール歌謡)が下敷きになっているようだ。この可笑しなごった煮感は大滝詠一さんを彷彿とさせる(一色さんのシャウトは「びんぼう」の大滝さんばり!?)。などと書いていて「Rock'n' Roll お年玉」のドンチャン騒ぎをふと思い出したが、そうそう、鈴木祥子『青空のように』に収録されている「~お年玉」ライヴバージョンでの一色さんによる”おとちだま♪”という奇怪なコーラスは破壊的である。あれを聴かないと年は越せない。話が逸れたが、「東京一悲しい男」のジャック達の演奏がまた絶妙で、この歌のバカバカしさを十二分に理解した間抜けなファンキーさがたまらない。きっとこの味が出せるロックバンドは世界でジャック達だけだろう。まぁ、誰もやらないだろうが。

ジャック達10th ANNIVERSARY ALBUM Forbidden Jackfruit~禁断のジャックフルーツ~

ジャック達10th ANNIVERSARY ALBUM Forbidden Jackfruit~禁断のジャックフルーツ~

「東京一悲しい男」ジャック達(詞・曲:ジャック達)2008年
一色進:Vocal, E.Guitar
宙GGPキハラ:Vocal, E.Guitar, A.Guitar
夏秋文尚:Vocal, Drums, Sound effect
光永GUN巌(メトロファルス):Bass

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↑あまりに好きなので妄想7インチシングルのジャケット描いた。B面はTHE WHOの日本語カバー。