レコードは果てしなく

好きなレコードや観たライヴのことを喋ります。'79年生まれ。

【私の好きな歌025】「Wide Eyed And Legless」Andy Fairweather Low

平成31年1月27日。浪速のグッドタイムフォークデュオ「冬支度」が結成10周年を迎え、それを記念したワンマンライヴが大阪の雲州堂で行われた。お祝いにかけつけたお客さんが次から次へと立ち見が出るくらいの超満員で、驚いたのと同時に愛されてるんだなぁと感じちょっと涙。地道に活発なライヴ活動や冬支度の二人の人徳が為せる業なのだろう。ライヴ自体も本編以外に開場から開演までの藤江隆&中川裕太ギターデュオによる達者すぎる生演奏BGMや幕間の斎藤さん&ザンネンズもりべさんの麗しいフルートデュオという新鮮な出し物で飽きさせない、会場には過去の企画イベントのフライヤーの展示だったりメンバーや知人友人からのコメント(僭越ながら私も寄稿しました)を載せた冬支度新聞の配布など、隅から隅まで気持ちの行き届いた素晴らしく充実したワンマンライヴだった。なかなかこういうライヴは味わえない、ホント大したものだ(偉そうな)。本編では、最初は二人だけのオリジナル冬支度で始まり、さすがに緊張気味だったけども、歌心溢れる渡瀬千尋さんのドラムスや藤江さんのエレキギターという心強い味方が加わってからは徐々にいつものレイドバックした緩やかな冬支度。MCでも10周年分の想いを大いに語るということもなく、感謝の言葉は忘れず次のライヴの告知をしっかりするいつもの冬支度(笑)。もちろん特別なライヴなのでファンとして感慨に耽る場面もあるけども、それよりも何よりもシンプルに彼らの楽曲の良さや演奏の良さ(最初期のシティポップ風?「週に三日は自己嫌悪」めっちゃええ曲やん!)、どこかにいそうでいない特異な音楽性に改めて感動した。今の時代に私の好きなこういう人間味と温もりのある70年代的なサウンドを鳴らしてくれる喜び、私にとって大切な音楽である。10周年おめでとうございます!これからもヨロシクお願いします。また飲みにも誘ってください(笑)。

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冬支度with渡瀬千尋藤江隆「週に三日は自己嫌悪」演奏シーンより。藤江さんの切れ味キレキレなトライアングル!

そして、今回のライヴで、私は冬支度新聞への寄稿と共に、フルートデュオが準備している間や終演後に流すBGMの選曲を担当させてもらった。彼らの企画イベント名に倣って、靴音までメロウな曲をたっぷり25曲。これまでも何度か会場BGMの選曲はしたことあるけど、初めて会場で聴いた。60年代~70年代の洋楽オンリーでアナログ盤起こしの極めてアナログに近い音で、もちろん自分の好きな曲ばかりだし、我ながらなかなか心地良い選曲だった自画自賛(笑)。ミーターズ「Loving You Is On My Mind」のベースがめちゃ太かったなぁ。それで、そのプレイリスの一曲、今年初めて買ったレコードで気に入ってずっと聴いている曲がアンディー・フェアウェザー・ロウ「Wide Eyed And Legless」。アンディーは60年代にAmen Cornerというモッズバンドで活躍した人で、近年ではエリック・クラプトンのサイドメンとしていぶし銀のギターを弾いていたり(観たことないので想像)。70年代のソロアルバムもスワンピーな渋みと英国人らしいポップさが混ざり合った味わいですごくユニーク、コクを増量したポール・マッカートニーみたくブルーアイドソウルな歌声もまた最高なのだ。この「Wide Eyed And Legless」という曲は1975年に2ndソロアルバム『La Booga Rooga』よりシングルカット、英国シングルチャート6位まで到達したヒット曲。エレクトリックピアノやペダルスティールギター(B. J. Coleの演奏)にフェイザーをかけたロマンチックで夢見心地なサウンドがとにかく極楽で、永遠に聴いていられる。こんなサウンドなのでさぞかしラヴリーなラヴソングなのだろうと曲名を見れば、目が広がって脚が無い!?...妙なタイトル。夜のリズムよりもグラスのリズムの方が強いなんて一節があるが、どうやら絶望から逃れる為に酒に溺れているアル中の男の歌らしい(違うかもしれないが)。即ち、メロウはメロウでも酔いどれのメロウであった。それでもウットリしてしまう、そんな男に共感する自分もいる...

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Andy Fairweather Low『La Booga Rooga』ジャケットより。お手を拝借!?

「Wide Eyed And Legless」 Andy Fairweather Low
(Andy Fairweather Low)
from 『La Booga Rooga』(1975)