レコードは果てしなく

好きなレコードや観たライヴのことを喋ります。'79年生まれ。

『旅の途中』roppen

あのクソ暑かった夏はどこへやら、意外に残暑も厳しくなく、あっという間に秋がやって来た気がする今日この頃。不思議なもので、秋になれば自然とフォーキーな音楽を求め始める我が習性。ノスタルジーに浸りたい、黄昏れたいんや。そんな気分にジャストフィットなレコードが届きましたよ、roppen『旅の途中』。

旅の途中

旅の途中

東京のバンドらしく街のグッドタイムミュージック、60~70年代アメリカンロック&ポップスへの憧れたっぷりに。土の薫りはほのかにしても泥臭くなく洗練されたサウンドはフィフス・アヴェニュー・バンドジェイムズ・テイラーのザ・セクションあたりの肌触り。何よりも歌を大事にした抑制の効いた奥ゆかしいバンド演奏が素晴らしい。リズム隊の密かにソウルフルなグルーヴ、エレピの鳴りが主張しすぎずさりげないのがまたニクい。エレキギター好きの私にとっては、渡瀬賢吾さん(私の旧ブログを読んで下さっていたそう、恐縮です)が奏でるストラトのメロウな旋律の数々にウットリしっぱなし。ラストに顔を出すヤンチャなローウェル・ジョージっぷりもイカしてる!そして、ちょいと斉藤哲夫を思わせる中村浩章さんの歌声は素朴な味わいで、バンドの演奏と素直に溶け合っている。全6曲(六篇か)26分の間に特別ドラマチックなことは起きないのかもしれないが、日常風景から滲み出たメロディーや詞は、なんのストレスもなくスッと身体に馴染み、エンドレスで聴いていられる聴いてしまう。時間が緩やかにぼやけ、ふと気づいたら日が暮れていた、そんなレコード。


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↑私はムーディーなこのライヴ映像を観て、roppenにぐぐぐっと興味を持った。アルバムでもやはりこの曲が大のお気に入り。最後のうちだあやこさんの囁きがセクシーだ。


『旅の途中』roppen(2015年)

1. ときめきの花
2. 旅の途中
3. 暮らしの中
4. 鮮やかなストーリー
5. 何よりも
6. 喜劇の日々

roppen
中村浩章(Vo,A.G)橋本大輔(Ba)北山昌樹(Dr)渡瀬賢吾(E.G)松野寛広(Key)