レコードは果てしなく

好きなレコードや観たライヴのことを喋ります。'79年生まれ。

「青空」佐藤博

気づいたら、すっかり桜も散っていました。
今週は先週までと打って変わって随分いい天気が続いていますね。
今日なんてちょっと暑いくらいですが、そんな日にこの曲を聴くと気持ち良かったので。

ひょっとすると私が知っているシティ・ポップで一番好きな歌、かもしれない。坂本龍一さんによる煌びやかなリズム&アレンジに村松邦男さんのプルンとしたエレキギターの音色は、シュガー・ベイブの顔がチラつく。しかし、歌うボーカリスト山下達郎さんではなく穏やかで朴訥としたフォークシンガー。歌に対してストリングスがゴージャス過ぎるような気もするし、正直、サウンドと調和しきれているのか。でも、その微妙な感じがなんだかグッときて仕方がないのです。洗練と人間味のバランス、この塩梅が自分にとって絶妙なのでしょう。やはり、人の体温と匂いのするポップスが好きなのです。

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「青空」佐藤博(作詞・作曲:佐藤博/編曲:坂本龍一)1976

坂本龍一:Piano, Electric piano, Vibraphone, Glockenspiel, Synthesiser
村松邦男:Electric guitar
吉田健:Bass
Jimmy Hopps:Drums
斉藤ノブ:Percussion
Van No.9 strings

※『青空』というアルバムでは5曲を坂本龍一さんが編曲、そのどれもが素敵なシティ・ポップです。村松邦男さんの洒落たギターソロが聴けるボッサ・チューン「忘れ物」は喫茶ロックにも収録されていました。小坂忠『HORO』にも入ってそうなファンキーな「ことば」や細野晴臣さんの軽やかなガットギターが印象的な「わたしの自転車」など。それら以外のいわゆるフォーク・ソング群も独特のとぼけた味わいがあってこれまた良いです。特に”町には女が女が女が~♪”の「あんた」はついつい口ずさむ鼻歌です。私の心の隠れた名盤なので、あまり教えたくないのです(笑)。

※あ、この佐藤博さんって、ハックルバックやティンパンアレーの鍵盤奏者ではないですよ。俳優もやっているGWANさんの方です。