レコードは果てしなく

好きなレコードや観たライヴのことを喋ります。'79年生まれ。

「The Wall Street Shuffle」10cc

神戸に引っ越してからレコード(アナログ盤ですよ)を買い始めて、かれこれ12年くらいですかね。しょっちゅう三宮~元町辺りのレコ屋を歩きに歩き掘りに掘っております。残念無念ながらアップルやリズムキングスは閉店してしまったけれど、老舗ハックルベリーにはずーっとお世話になりっぱなし(これからも)。元町高架下のフリークアウト~ワイルドハニーパイ~ダイナマイトの魔窟ゾーンも指真っ黒になりながらも楽しい。勿論ネット通販も利用しますが、やはりレコ屋での思いがけない偶然の出逢いは魅力的で止められません。まぁ店内のレコードを隈なく見ても、ビビビッと来るものが無く、何も買わないという虚しい徒労感に襲われることも多々ありますが...それもまた一興。

7年前ですか、カーネーション直枝政広さんの著書『宇宙の柳、たましいの下着』発売記念として“宇宙の柳ゼミ”というトーク(講義)&ライヴ(2008年4月27日@大阪ワイルドバンチ)が行われまして、神戸在住のロック漫筆家・安田謙一さんを迎え、大変に愉快で濃厚なレコード話が繰り広げられました。確かイベント終盤、来場者から直枝さんへのメール質問「聴いて元気になるレコードは?」に応えて、「あまりそういうことでレコードは聴かないけど、敢えて言うなら」と針を落としたレコードが10cc「The Wall Street Shuffle」でした(シングル日本盤)。ニール・ヤング&クレイジー・ホースばりのザックリとハードなギターが強力なイントロからだんだんとポップになって行く奇妙に美しい展開に、なんじゃこりゃ!と密かに興奮していました。「初期の10ccもカッコイイので是非聴いてみて下さいね」と直枝さん。もう居ても立っても居られなくなったので、その翌日にハックルベリーへ駆け込んだところ、なんと壁面に10ccの1st『10c.c.』と2nd『SHEET MUSIC』(共にUKオリジナル盤)が飾ってあるではないですか!速攻レジに持って行ったのは言うまでもありません。(結構マジで)レコードの神様がいると思った瞬間でした。そんな神様は非常に気まぐれで、こういう体験をたまに絶妙に起こしてくれるのでズブズブとレコ沼にはまっていくという...

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「The Wall Street Shuffle」10cc
(Stewart, Gouldman)from『SHEET MUSIC』1974

※シネマの「無口な一夜」(『SCIENCE FICTION MAN』収録、松尾清憲&一色進ナンバー)と聴き比べてみましょう!