レコードは果てしなく

好きなレコードや観たライヴのことを喋ります。'79年生まれ。

西村哲也&ポークパイハッツ@拾得 2015.3.29

西村哲也&ポークパイハッツ】
西村哲也:Vocal & Electric Guitar
大前チズル:Keyboards & Chorus
前島文子:Drums & Chorus
イガキアキコ:Violin
大田譲:Bass & Chorus

【うろ覚えセットリスト(順不同)】
西村ソロ:キャンディ/少しだけ
西村+大前+前島+イガキ:砂のコリン/再会/海豚が歌う時
西村+大前+前島+イガキ+大田:牛の群になって走る/蛙/ドアは開けたまま/赤いスーツケース/失われた日曜日/MOONSHINE MELTING TOY/運命の彼のメロディ/最初で最後の不思議/ひまわり/GOOD NIGHT BLACK NIGHT/en)エレクトリック・ラバー


日本一好きなロックギタリストであり素晴しきシンガーソングライター西村哲也さん(fromグランドファーザーズ、Only Love Hurts、BAND EXPO、メトロファルスetc)のバンド、ポークパイハッツのライヴがお馴染み京都の拾得で行われました。1つの季節に1回くらいのペースで行われる定期バンドライヴ。なのですが、今回はイガキアキコさん(fromたゆたう)が初めてバンドに参加し、レギュラーの中島かつきさんの欠席によりピンチヒッターで東京から盟友・大田譲さん(fromカーネーショングランドファーザーズ、ジャック達、東京の西村哲也バンドetc)を迎える、という思いがけず非常にレアなメンツでの非常にレアなライヴになりましたよ。冒頭で西村さん一人で2曲しっとり弾き語った後、麗しき女性3人と一緒にメロウな雰囲気で。「砂のコリン」はテンポをグッと落としオトナのムード、とは言え間奏でのイガキさんのヴァイオリンソロは流麗且つアグレッシヴでいつもの疾走感が。大田さんが加わってからの1曲目「牛の群になって走る」はこの日の一番のハイライトだったのではないかと(周りの皆も絶賛)。大田さんの強靭な足腰の太いベースは泥臭くグルーヴし、イガキさんの砂塵吹きすさぶヴァイオリンと溶け合い、フェアポート・コンヴェンションばりのカントリーロックが繰り広げられました。今こんなロックが聴けるだなんて、震えるほど感動。西村さんの切ない音楽世界とイガキさんのヴァイオリンとの相性が抜群だというのは、昨年末にアコースティック編成で西村さんとイガキさん(+熊谷太輔さん)との初セッションを観た時にも感じてはいたけれど、今回のエレクトリックバンド編成での化学反応は予想以上でした。大前さんのエレガントで多彩なキーボードプレイと共に、新たなるサウンドの肝になるでしょう。本編ラストの「GOOD NIGHT BLACK NIGHT」は最近のライヴ盛り上がり定番曲で、元々はPerfumeを意識したそうだけど、ライヴ版の方がCD版よりもますますテクノポップ化(人力)。前島さんの四つ打ちドラム、大前さんのキーボードは無機質に、イガキさんはピチカート奏法でリズムボックスみたいな音を出していて、そう来たかっ!もう完全にダンスチューンですよ。座って観ていたのを反省。アンコールの「エレクトリック・ラバー」では、西村哲也狂気のギターソロ大爆発でしたネ!ピックを口にくわえてフラメンコ奏法や左手をゆっくり滑らしピキピキ鳴らしたりのロイ・ブキャナン殺法炸裂、マイクスタンドをスライドバーにして弦をこすって弾くのなんて初めて観ましたよ。嬉しくて堪らない。普段は感情を表に出さないおとなしい人間なので、西村さんのブチ切れたギターソロやパフォーマンスを観ていると自分の感情も一緒に放出される気分になってスッキリするのです。

硬軟自在に歌心のあるドラムを叩く前島さんに続き、イガキさんもこれでもうバンドには不可欠な人になりましたね(西村さんもステージ上で口説いていた)。次は中島かっちゃんも復帰して更にこれからのポークパイハッツが楽しみになってきましたよ。いいバンドです。あ、大田さんは滅多にない女性に囲まれて演奏して楽しそうだったし、もしかしたら東京でも観れるかも?ですよ。
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食べたもの:漬け物ピラフ(↑)
呑んだもの:泡盛お湯割り(請福)、にごり酒(月の桂)