レコードは果てしなく

好きなレコードや観たライヴのことを喋ります。'79年生まれ。

【私の好きな歌009】 「Better Love Next Time」Dr. Hook

レコード屋に行ってレコードに囲まれていると、なぜだかお腹がユルくなる。ビビビッと良いレコードに出会うためにアンテナの感度をより研ぎ澄ましているので、神経が過敏になっているのだろう。ある日もいつもの元町ハックルベリーでレコードを掘っていると唐突にお腹の緊急事態に陥り店を飛び出て必死で近く(そんなには近くはない。赤信号が長い)の大丸のトイレに駆け込んだ。事を済ませ、ふぅ...と一息ついた瞬間に、店内に流れていたのが、このドクター・フックの「愛はいっぱい」。なんだかもう幸せいっぱいな気分になった。むさ苦しく怪しい風体の彼らの温かく屈託のないディスコサウンドは、お腹にも優しい。

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「Better Love Next Time(愛がいっぱい)」Dr. Hook(1979年)
written by Pippen-Keith-Slate

【私の好きな歌008】 「その気になれば」中川イサト

中川イサトさんと言えば、アコースティックギターの名人であるが、私はイサトさんの歌が大好きだ。細野晴臣さんにも通じる人情味あるぶっきらぼうな歌、ちょっと情けない感じがするのが愛おしい。我が家にある70年代のイサトさんの歌ものレコード『お茶の時間』『1970年』『黄昏気分』、2枚組ライヴ盤『鼻歌とお月さん』は全てが全て宝物だ。中でも、宅録アルバム『1970年』はリバーブ多めのアシッドフォークなムードがたまらない。私を包みこむロンサム。

コタツでぼーっとしている今日は「その気になれば」な気分。”その気になりさえすれば 夏の終りの海が見られるのに”ということは、その気になれないので夏の終りの海は見ていない。部屋で想像の海を漂う引きこもりの歌だ(ろう)。『お茶の時間』でのエリック・カズ風のドラマチックなバンドアレンジも素晴らしいが、引きこもり度では『1970年』の素朴なギターと歌だけのバージョンに軍配。この歌の主人公と友だちになりたい。

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「その気になれば」中川イサト(1973年)
作詩:Kinta/作曲:中川イサト

【私の好きな歌007】 「俺の借金全部でなんぼや」上田正樹と有山淳司

浪速のぐっどたいむみゅーじっくやろか!?この歌の詩を完璧に覚えて、間違えんと歌う自信はありまへん。歌詩カードを見ながらでも、無理でんな。金の計算は苦手や。あ、せやけど、最後に全部でなんぼや?と訊いて終わっとるから、なんぼでも借金してもええか。うまいことできとる。

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「俺の借金全部でなんぼや」上田正樹と有山淳司(1975年)
作詩:三上寛/作曲・編曲:上田正樹&有山淳司

唄:上田正樹
アコースティック・ギター:有山淳司
エレキ・ベース:藤井裕
ドラム:正木五郎

【私の好きな歌006】 「Love Makes The World Go Round」Deon Jackson

愛すべきグッドタイムミュージックと言えば、この歌も外せないでしょう。グッドタイムソウルと言った方がいいかな。タイトルを訳せば「愛が世界をまわしてる」、なんて素敵なのだろう(涙)。イントロのトイピアノ?の可愛らしい音色、フィンガースナッピング弾む小粋なリズムにほんわかポップなメロディー、ディオン・ジャクソンのハートウォーミングなボーカル(お顔も優しそうでしょ?)にメロメロが止まりません。この曲が彼の唯一のヒット、いわゆる一発屋と言われてるみたいですが、こんな愛がいっぱいのポップソングを生んでくれてありがとう、最高じゃないか!とハグしたい気持ちです。

このアルバムには「Love Takes A Long Time Growing」というもう一つのナイスなグッドタイムソウルも。「愛はじっくり育つ」二匹目のドジョウ?気にしない気にしない(笑)。

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「Love Makes The World Go Round」Deon Jackson(1966年)
written by Deon Jackson

【私の好きな歌005】 「Country Girl」Bunky And Jake

11月も暮れてきて、コタツの中でそろそろ振り返りモードに入ってきましたが。そこでパッと思い浮かぶのが、今年1月31日の大阪・雲州堂での冬支度(with藤江隆)といちかたいとしまささんのライヴがやたら楽しかったなぁ(ライヴというより打ち上げか!?笑)という。客席がやけに豪華で、観てる方もちょっと緊張感ありましたけど。私的には、藤江さんがいちかたいさんのシャウトを絶賛し熱弁していたのが、微笑ましい名シーンでした。そして、冬支度のステージを観ていたロック漫筆家・安田謙一さんが「バンキー&ジェイクの1stアルバムのよう」と褒めていたのにも嬉しい驚きでした。

ニューヨーク出身の男女デュオのバンキー&ジェイクの1stアルバムは、NRBQも恋したグッドタイムミュージックの宝石箱のような愛すべきレコード。私も憧れのレコードで、ハイファイ・レコード・ストアのHPで見つけて速攻で通販しました。ホントに全曲チャーミングでキュートで大好きな歌しかないので、どれでもいいのですが、タイトルでこの「Country Girl」を選びました(~Girlに弱い)。流麗なストリングスが入りソフトロックとも言えるオシャレな雰囲気で、二人のボーカルハーモニーは素敵にイナたいのがグッド。She is just a country girl, He is just a city boy♪

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「Country Girl」Bunky And Jake(1968年)
song written by A. Skinner and A. Jacobs

【私の好きな歌004】 「太陽の塔」BAND EXPO

BAND EXPOについては散々語ってますが、第二弾MV「太陽の塔」が届いたのでお知らせ。MVには先日のレコ発ツアーの模様、東京ラストワルツ公演のライヴ映像や大阪ムジカジャポニカ公演にまつわる写真が多数使われています。今どき珍しい(笑)手作り感満載のちょっと懐かしいヴィデオ(制作は当ブログではクララズでお馴染みアダチヨウスケさん)なので、ほっこり温かい気持ちになりますよ。個人的には、鶴橋の西口うどんの前でニンマリ嬉しそうな矢部浩志さんの写真がツボです。「太陽の塔」は今年の心のベストヒットです。そうだ、太陽の塔に会いに行こう。


BAND EXPO 「太陽の塔」

BAND EXPO

BAND EXPO

太陽の塔」BAND EXPO(2016年)
作詞:コーノカオル/青木孝明 作曲:コーノカオル

西村哲也:Vocal,Chorus,Guitar,Synthesizer
青木孝明:Bass,Chorus
コーノカオル:Piano,Chorus,Synthesizer
矢部浩志:Drums

【私の好きな歌003】 「明日はないのさ」ラリーパパ&カーネギーママ

”浪速のザ・バンド”と呼ばれた愛すべき若きおっさんバンド(だった)ラリーパパ&カーネギーママが二度目の復活をしている。嬉しい限りだ。何を隠そう(隠してもないが)田舎者の私はビビりすぎて、人生ライヴハウスデビューは23歳の時と遅咲きで、2002年9月23日京都の老舗・磔磔でのラリーパパ&カーネギーママだった。BGMで大好きなJames Taylor「Nobody But You」が流れて落ち着いた、はっぴいえんど「抱きしめたい」を無邪気にカヴァーしていた、どうやらあがた森魚さんが観に来られていたらしい、そんなことを思い出す。心配していたカツアゲは、されなかった(されるわけない)。その後、ライヴハウスで何度もラリーパパのライヴは観て、夢中になっていたが、2006年に突然(でもないか...)解散を発表し、なんて勝手気ままな!と私はショックだった(内心、怒ってもいた)。

「明日はないのさ」は2010年の一度目の復活時にレコーディングされた当時の新曲(『Good Times Are Comin' Again!!』収録)。ブラスの風が心地良いええ感じに肩の力の抜けた小粋なポップナンバーだ。70年代の青春ドラマのテーマソングに似合いそうな雰囲気で、平成の「男達のメロディー」(SHOGUN)みたいな気分で楽しんでいる。なので、本来は世相を憂うメッセージソングなのだろうけど、私は完全に青春に置き換えている。明日はないのさ、青春どんづまり。私にとってはラリーパパは青春のバンドだったんですよ。


明日はないのさ.m4v

「明日はないのさ」ラリーパパ&カーネギーママ(2010年)
作詞:チョウ・ヒョンレ/辻凡人 作曲:辻凡人

チョウ・ヒョンレ:Vocal,E.Guitar
スチョリ:Piano
キム・ガンホ:E.Guitar
水田十夢:Bass
辻凡人:Drums,Programming